IT企業でうつ病

IT業界で10年勤務。うつ病2回。勃起不全。只今闘病中でこれからの人生をどう生きていこうか考え中。

うつ病は初めの一歩目で疲れてしまう

ここ最近、アルバイトに勤しんでいる事もあってか、生活にメリハリが出てきている。夜眠れないことも無くなったし、抑うつ状態になる頻度も減ってきた。一日に何回かはあるのだが。

うつ病に関する専門書に触れ合う機会が多い環境でアルバイトをしているため、様々な治療法、その効果、最新のトレンドなどが勝手にインストールされ、どんどんナレッジが蓄積されていくたびに、「高い効果が認めれている治療法があるのに、うつ病に苦しむ人が一向に減る気配が無いのは何故だろうか」ということを考える事が増えてきている。

原因は多々考えられるが、一個人として考えた場合、うつ病の人は踏み出す一歩目で疲れきってしまう」という事があげられると思う。

一歩目を踏み出すにも多大な気力・体力・覚悟を必要とするため「踏み出した一歩目が正解であって欲しい」と切に願っているフシがある。また、投薬治療以外でも効果が高い治療法(認知行動療法など)があることを知らないケースも多いのでは無いだろうか。

しかし、たとえ認知行動療法を知っていたとしても、症状が重い人ほど「他人との関わりあいを避けたい」傾向が強く、これは荒っぽい表現になるけど「生きることに失望しているから」に他ならない。

そういった背景があり、んじゃどうするのよ?というと、「手軽な心地よさ」に手を延ばすのである。

音楽、スピリチュアル、詩、啓発本、宗教…etc

なぜこれらを候補としてあげたかというと、「自分を受け入れてくれている、肯定してくれている、承認されている」というメッセージを多分に含んだものだからだと思う。

「ああ、自分は生きていて良いんだ。この歌は愛に満ち溢れている。この歌を聴いている瞬間だけ生きている実感が持てる」

といった具合に。とてもわかる。痛いほどに。心に良く効くのである。でも「一時的」であることは書き添えておきたい。

簡単に触れられ、一時的であれ病気から開放されている感覚を得ることができるということはとても魅力的なのだ。

しかし、それが本人の病気の治癒に繋がるのかはしっかりと考えたい問題だ。個体差があるものなので、人によっては音楽で治癒するケースもある。また、医学的な根拠は不明である。

歌や詩などに浸っている心地よさを知っているぶん、その心地よさを「治療」に繋げて欲しいと思うのだ。そして、「治療」という第一歩を選んだ時に、本人たちの希望を滅してしまう事のないように、医療業界・カウンセリング業界は頑張って欲しいと切に願うのである。

そして、私自身はうつ病を治した」という良き身近なサンプルになれるよう、これからも生き抜いていこうと思う昨今である。